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福岡地方裁判所小倉支部 昭和45年(ワ)248号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕(一)休業損害および逸失利益金三二万二、六六四円

<証拠>によると、(1)原告は、前記一認定の傷害により昭和四四年三月一日から同年五月二日までの九〇日間前田外科病院に入院して右骨折等の傷害の治療をし、退院後の同月三一日から一〇月九日までの一五四日間北九州市立小倉病院に通院し、右傷害による頭部外傷後遺症、左下肢打撲骨折後遺症、後頭神経痛の治療をし(実治療日数五六日)、右扁頭痛、左膝関節神経痛の症状を残して前記骨折等の傷害は治療したこと、(2)その後、原告は、同年一一月頃から頭痛がすると訴え異常な言動をするようになつたので、昭和四五年二月一二日精神科の南ケ丘病院に診察してもらつたところ、幻覚妄想状態、自閉症なる診断が下されたが、特に治療することもなく放置していたが、同年五月一九日から国立小倉病院外科および整形外科において後頭部、頸部の疼痛の治療を続け、さらに、同年一二月一九日同病院神経科において診察を受けた結果、原告は、右肩疼痛、腰痛、性慾減退、不安、焦燥、憂うつ感、不眠、食慾不振を訴えるが、真正精神病ではなく、外傷性神経症であると診断され、以後昭和四六年六月まで月一ないし三回治療しているが、原告は、本件事故以来今日まで全く稼働していないことを認めることができる。

以上の事実によつてみると、原告の本件交通事故による前記骨折等の傷害は昭和四四年一〇月三一日頃までには治療し、その後の原告の訴える症状は外傷性神経症によるものと認めるのを相当とする。したがつて、原告は本件事故の日である昭和四四年三月一日から右の同年一〇月三一日までは本件事故による傷害により稼働できなかつたものというべきであるが、外傷性神経症によつては特に労労働能力の喪失を来すことはないものと解するのが相当であるから、同年一一月一日以降原告が稼働できなかつたことと本件事故とは相当因果関係がないものというべきである。しかしながら、原告が右のとおり外傷性神経症の症状にあることは慰藉料の算定には斟酌すべきものと解する。

そして、<証拠>によれば、原告は、本件事故前明和工業株式会社に勤め月平均四万〇、三三三円の収入を得ていたことを認めることができるので、原告の休業による損害は金三二万二、六六四円となる。(矢頭直弥)

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